今日は、明日の昨日

日々感じたことを、徒然なるままに書き連ねていき、足跡を残していきます。

高校入試発表の日の出来事

平成22年3月11日(木)

 昨日は,県内の公立高校入試の合格発表日。前夜からの雪のため,交通機関は朝から,遅れや一部運休が続出した。

 出張のため午後,ほぼ通常どおりの運行に回復した列車で,仙台に向かう列車内での出来事。普段乗車中は,iPodを聴いているが,このときは途中からバッテリー不足になったが,ヘッドフォンは耳につけたままにしていた。

 乗車した先頭車両目の対面の座席には,ひとりは母親と一緒の女の子,もうひとりは目と鼻を赤くしタオルを手にした女の子。後で,高校受験生と分かるが,ともに正反対の状況だった。

 仮に,最初の受験生をA子,もう一人の受験生をB子とする。

 A子と母親,B子は列車に乗り込み,席に着くと携帯メールを盛んに打っている。B子は目や鼻にタオルをあてながら,当目にも泣いている様子が窺える状況。

 A子に電話があり,「落ちちゃったけど,そう哀しくはない」という会話を友達としている様子。母親も,特に哀しい様子もなく,かかってきた電話に淡々と応答している。それらの行動がひととおり済んだのか,A子と母親は,互いに話すが,「どうして落ちたか分からない」「解答はちゃんとしたんでしょ」「…高校(注:私立か?)受かってるのに,落ちるなんて信じられない。」という親子の会話が続く。

 一方,B子は携帯メールを打ち続け,鼻水をティッシュでかみ続ける。目は赤くはらしたまま。携帯電話がなり,「うん,落ちちゃった…」と対面からは聞き取れない声で話し続ける。

 列車は終点仙台まであと4駅ほどとなったところ,A子がB子に話しかける。A子「××高校受けたの?」

 B子 「はい,…」

 A子 「どこの中学校?」

 B子 「△△中学です。」

 A子 「駅は…」

 B子 「◎◎駅です。」

 A子 「通学するには,はっぱり遠いよね。あはは(笑い)」

 B子 「どこの中学校ですか?」

 A子 「▽▽中学」「数学の…先生,いるようね。」

 B子 「ええ,…です。」

 A子 「そう,…がよろしくって,会ったらよろしく。あっ,もう会わないか!」

 B子 「…(聞き取れず)…」

 A子 「××高校に…学科があるって,どのようにして知ったの?」

 B子 「1年生の時に…」

 A子 「そうかぁ,やっぱり人づてなんだよね」

 (母親の方を向いて,1言2言話す。)

 A子 「どこの高校に行くの?」

 B子 「…高校と…高校に…」

 A子 「そう,高校卒業したら大学?」

 B子 「専門学校で…」

 A子 「そうだよね,専門学校でも資格が…」

 そのうち,B子が下車する駅に到着し,B子はA子と母親に向かってお辞儀をし,A子は「バイバイ」と振る。明らかに泣き顔だったB子は笑顔で応え,列車を降りていった。

 残念ながら高校受験には失敗したものの,互いの将来の夢であろう資格の取得に向けて話をする二人。最後には,笑顔になったB子。

 そんな二人が再び出会い,互いの夢を実現し,互いに笑顔で会話するという場面に遭遇し,二人の将来を祝福してあげられたらという気持ちになった出来事でした。